学校の失敗
市場の失敗、政府の失敗と同様に、「学校の失敗」という考えが持論であります。
学校に行って学力が高くなるというのは希望的な観測で、学校に通学する時間や講師の自己顕示欲を満足させるのにつき合わされる時間、いかにもテレビから得た知識を聞く時間などの浪費が激しいので、実際に勉強する時間がなくなり、学力は低下してしまう可能性があります。
もし、学校に行ってカリスマ講師に会おうとしてもそのチャンスは少なくそれはとても難しいはずです。なぜなら、本物のカリスマ講師なら政府機関や自治体、企業からも仕事の依頼が大量に来るので、学校で指導したくてもその時間を設けることが極めて困難だからです。
読書量がどれほどの規模なのか、1分話せばわかりますが、大学教員より官僚や上場企業の社員の方がはっきりと読書量が多いことが判明します。つまり、彼らは知識量をツールとして使っているだけで、それを職業とはしていないのです。
英語教師よりも、実際に英語を使って仕事をしている人の方がはるかに英語の力であるということは容易に想像できるはずです。それなら、学校に行くよりも仕事の現場の方が勉強になるわけです。
オリンピック選手の誕生
人間の能力はほとんど差はないけれど、オリンピック選手と凡人ランナーの差はどこにあるのか?
その差は、練習量とか技術ではなく、まず、故障をしないことが最大の理由です。
緊張して眠れないとか、食べ物に好き嫌いがあるとか、単純な基礎訓練は飽きるとかはもちろんよくないけれど、故障しない体を獲得することが最終的に世界ランカーを決定する要因だと思われます。
1つ言えることは、その故障しない体は決して机上の理論では説明できない領域にあって、極めて個性的であると考えます。実際に、私がヒューストンでよく行った店に有名なゴールドメダリストが来ていたのですが、大酒飲みで、ヘビースモーカーだったりしました。酒やたばことランナーとしての肉体とはあまり関係がないのかもしれませんね。
谷崎潤一郎『春琴抄』
人生最大の教科書であり、これから国際社会に挑戦する学生に紹介する推薦本の1つです。
谷崎ほど、経済をとらえ、描いた人は他にはいません。特に春琴抄は開港、いわゆる近代日本のグローバル化がもたらした時代背景をあまりに美しい日本語で表現しています。
多くの読者は、この小説の美しさに惑わされ、背後の時代背景を読むことはしないでしょう。もちろん、その必要もありません。
佐助の失明は、日本が開港した時であり、その後、佐助と春琴は光のあたらない桃源郷へ到達します。
経済的に言えば、グローバル化によって、没落したのは鵙屋であるということ。薬問屋はもともと海外との交流を許可されていた企業であり、グローバル化によって没落するのは同じグローバル企業。そして、「大阪」という伝統的な巨大なマーケットが裁定取引や流通システムに敗北したのです。
夫婦という絆を基礎とした日本文化は、グローバル化ごときではビクともしない強靭なものでした。
さらに、もっとも生産性が高い組織は「夫婦」(婚姻とは限らない。「家」と言っても良い)であること。たぶん、佐助はその後達人になったのであろうけど、それは佐助と春琴の間から生成された統合的な力であって、そのどちらか一方ではないということ。
モノが創造されるところは光があたらない場所であり、あまりにおぞましく、一般の人は見ない方が良いところでもあります。
増税を主張する人たち
日本経済が20年間低成長を続けてきた原因として、消費税増税やデフレをあげる人も多く、現在も増税をもくろむ財務省に批判的な人も多いでしょう。
しかし、国際競争にさらされている経済官僚の視座は別なところにあるかもしれません。もちろん、目的は何千年も続く「強い日本」「国際競争に勝てる日本人」をつくるためです。
私がアメリカで住んでいた場所の1つ、ニューハンプシャー州(ポーツマス)はリザベーション地区でもあるので、セールス・タックスがなく、教育もお金がかかりません。非常に安く生活できるので低所得者層やリタイアした人には良いところですが、働き盛りの若者が住むには適さないし、そのことは多くのアメリカ人も理解しています。
車で数十分で行ける、隣の州はマサチューセッツ州ですが、ここはタックスチューセッツ州と呼ばれるほどの高い税に見舞われる州です。
しかも、ケンブリッジにある大学に行こうものなら1コース登録するだけで、ニューハンプシャー州の大学1年分の学費に匹敵する額になるところもあります。さらに、追い打ちをかけるように世界一とも言われる高額家賃を払い続ける必要もあります。
これほど、税金や教育、生活費に差があるのに、それでも人々はマサチューセッツ州に住んで、そこの大学に通い、そこで働こうと考えます。
そして、ここで生き残るのは、この税金、この教育費、この家賃を払い続けられる強いアメリカ人です。また、こんなところに投げ込まれた外国人は一致団結して防衛策を練るしかありません。そして、彼ら彼女らは国際競争力に立ち向かえる人に育っていきます。
その地域には容易に入り込めない見えないバリアが形成されます。
日本経済の20年間低成長に耐え、苦労した親の背中を見て育った90年代以降に生まれた若者たち、彼ら彼女たちはとても強い気持ちと情報を識別する能力が備わっています。
「次の時代を背負える強い日本の若者」をつくることができたのだから、20年間の低成長期は無駄ではなかったはずです。
海外から使用しているカメラやレンズの問い合わせが多い
動画撮影時のカメラについて、海外から問い合わせが多いのです。
最近では、instagramで高評価をもらうためなのか、スマホの内臓カメラではなく、一眼レフを持ち歩いている若年層も少なくありません。しかも、カメラの知識や撮影技術までそれなりに高いレベルだったりします。
現在、レンズは標準で、