経済学の杜(ミラー)

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文学部の逆襲は可能か?

 公務員試験改革と並行して、大学文系・人文科学系の組織改革が求められていますが、なかなかうまくはいっていないと思われます。














 日本の大学の場合、就職に有利な大学・学部に、高校時代までに優秀だと評価された人が偏って進学する傾向があるので、たとえ文学が好きでも人材に不足しがちがです。

 母数が少ないと、マスメディアで取り上げられたとか、SNSでのフォロワーが多いとか、ほとんど学術とは無関係なところで評価されている人が運営側が評価し、集客を見込んで持ち上げられ、大学の「顔」にするので、実際に学術的なものに関心を持つ学生からさらに敬遠されてしまうのです。

 谷崎潤一郎三島由紀夫などを読まばわかるように、当時、文筆家が単に社会情勢や人文科学ではなく、社会科学や自然科学にも一定水準以上の知識があることが読み取れます。しかし、現在のジャーナリストでそこまでの読書量を持つ人はなかなか発見することができません。
 書く量=読む量なので、読む量が少なければ良い作品もできないでしょう。


 実際に人文科学に興味を持って、研究を続けたい人、読書量が目の前にいる教員を数年以内に超える人は、結局、今の段階では欧米の人文科学強豪校に取られてしまうのです。

 そういった意味で、公務員になるという選択は1つであって、勉強を続けたければ給料をもらいながら留学したり、資格を取ったり、旅行しながら取材したり、1人でじっくりと勉強する時間を与えられるということもできるはずです。
(多読の大学教員に会うことは滅多にありませんが、多読の官僚には身近に会うことができます。)

 10年後、20年後を考えると、文系の場合、勉強を続けたいという理由での大学院進学は回避を含んだ要検討事項で決断には多くの人のアドヴァイスを聞く必要があるでしょう。
 もちろん、コネがあるのなら私企業が最強です。