経済学の杜(ミラー)

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ゲームという貴種流離譚

 スマホの普及によって、何かのネットワークゲームにはまって貴重な時間やお金を無駄にしてしまった人も少なくはないはずです。ただし、その間に何も得たモノはなかったのか?といえば、ゲーム層というさまざまな人間模様を体現できた有意義な時間もあったはと思います。

 

 現代の20代、30代がフェイクニュースをすばやく感知できるのはこうしたネット利用の時間と並行しているのかもしれません。今では、twitterやFBのフォロワー数やAmazon楽天のランキングやコメント、Youtubeの登録者数や再生回数など、操作可能らしく、それを商売にしているプロモーション業者もいるようです。当然に、若者ほどそういったことの真偽に敏感なはずです。

 

 ネットワークゲームをしたことがある人には、こうした人気のないモノを大きく見せるようなプロモーション業者はソフトに見えるはずです。なぜなら、ゲームの世界ではチートなどが横行していて、彼らは自己顕示欲を満たすためなら何でもやり、そういった人たちとも対戦しなければならないからです。それを、純朴な若者が目の前で見る羽目になるです。それはそれで情報精査能力が鍛えられることでしょう。

 ウソやシステムを悪用する人、自作自演などが蔓延るネットの世界では、やはり情報弱者が犠牲になります。

 

 ただし、ゲームの世界は必ずチート利用者は追放されるような浄化作用があります。このあたりはゲームとスポーツが類似している点と言えます。最もラフなプレーで悪評のあるチームでさえチーム内に1人のチーターが発覚した段階で全員が責任をとって引退することもあります。

 

 もちろん、メジャーなゲームでは、廃(はい)ほど高学歴だったり高収入、逆に、勉強も就職も捨ててゲームに人生をすべてかけているような人もいます。彼らはゲームの前では対等です。

 上級者ほど、全国・全世界のプレイヤーと繋がり移動して意見交換しています。実生活では絶対に接点がなかったような層と話し合い、攻略法を見出していくのです。

 全国戦(世界戦)に挑むまでになれるゲーマーはまさにヤマトタケルのような貴種流離譚を経験することでしょう。ゲームに限らず、挑戦者は常に俗との結託を必要とするのです。

 

 ソシャゲーの時代はほぼ終わりましたが、また新しいコミュニティが出現してくることを期待しています。