経済学の杜(ミラー)

公務員試験・外交官・国税専門官・中小企業診断士・不動産鑑定士などの経済学の試験対策情報を提供します。

サイトの検索キーワードを調べたら、

 社会科学全体に言えると思いますが、やはり大学や研究機関の「系譜」というものが明確にあるものですね。
 最近、大学図書館で見つけた経済学の本を読んでいると著者が誰かなんて見なくても判別できる、やはり慶応の系譜はカラーが強いと感じます。現在の経済学の指導カリキュラムは荒憲次郎氏ら一橋大学で構築されたものが多いはずですが、それをコンパクトにして運営したのは慶応大学の貢献度が高く、試験に対応できる形にまで縮小させたのは、80年代ー90年代に慶応系であった大原や反骨精神が強かったTACの活躍によるものが大きかったはずです。
(当時の予備校講師の多くは今でも大学で教鞭をとっています。予備校は大学院生にとって良いバイト先だったかもしれませんね。今でも会うことがありますが、向こうは「先生!」と言ってくれるのですが、彼らの多くは結構、位が高い教授になっています。)

先月の当方のサイトの検索キーワードは、経済、慶応、公務員試験という順序でアクセスされていて、やはり、経済は慶応なのかと感じました。
「らくらく」を出版した週刊住宅の経営者は、出版時に三田会の幹事をされていました。

経済学というのは、10ページも読めば、その系譜がわかるものです。
例えば、私はマクロ経済学のテキストでは総需要、総供給を、





と右肩にD,Sを付しますが、これはどのような系譜、指導を受けてきた者なのかを暗示させています。実際に教員によって表示の仕方は全く異なります。
 45度線分析にしても、「らくらく」は輸入されたマクロ経済学を受験経済学用に加工されたものであって。それが正解!言うわけではなく、実際に経済学者はそれぞれの全員が異なったアプローチをしています。「らくらく」は短い方に優先権があるというショートサイド原理を基本として展開していますが、「セカンド・ベスト」の発想からもアプローチできます。
 
公務員試験の指導以外では、2種類の財を、





X1財、X2財としています。公務員試験ではX財、Y財が一般的なので、この部分だけは作り変えています。
最近、ようやく公務員試験でもX1財、X2財も登場してくるようになりました。個人的にはこちらの方が使い勝手が良いように感じます(3種類(X財、Y財、Z財)以上の財でも扱えるからです)。

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 経済学の試験(国家公務員)は、日米共通の英語での出題で良いと感じています。
帰国組や留学組にとって、経済学は受験しやすい科目なのですから。


『らくらく経済学入門』入稿完了。9月末に販売へ

9月末には販売できると思います。

 らくらく創刊から11年分の原稿と、20年間の受講生の質問のデータなどを久しぶりに見直す良い機会にもなりました。

 さすがに11年にもなると、世間では「この問題はこの公式で解くんだ!」という一種の公式のように固定化された解法テクニックになったものがありますが、実際には私と受験生の間で、「こうしたらどうか?」「それがダメならこういった解き方でも可能じゃないか?」と試行錯誤しながら、作り出したものが多くあります。
 
 言葉というのは、今では「国語」のような人工語が世界的に一般的に使われていますが、もともとは家族の中で産出されるものです。または、マルクスエンゲルスドゥルーズ=ガタリのように2人の語りから産出されるというものもあります(これは拍手の原理で、片方の手では音が出ないが、両手をたたくことに音を発する=言葉ができる)。
 そこに、人工的でなく、何かを要約したものや刷りなおしたものでもなく、本物の活き活きとしたものが存在します。

 改めて、私と受験生との間で、数学や経済学を通じて家族としての繋がりがあったということを自覚しました。
 信念を貫き通した人の記憶が刻まれています。本当にありがとうございました。

LM曲線の右シフト

 貨幣供給の増加は、LM曲線をLM1からLM2へ右にシフトさせます。
 大学図書館においてある「マクロ経済学」の教科書には、LM1からLM2なので、「右シフト」と書いてあるものや「下方シフト」と表されているものもあります。

 どちらでも正解なのですが、貨幣供給の増加と利子率の低下を関連付けるのであれば下方シフトの方がしっくりするという人もいるはずです。

 しかし、公務員試験や資格試験などで「右シフト」を多く採用してきた背景には、LM曲線という貨幣市場の需給一致の回復が、利子率を一定を前提として、Yによって調整される(4象限法で確認)と説明するためです。

(もちろん、Yを一定として、rの調整によって需給が回復されるのであれば下方シフトになります。)

 市販の教科書に出ているとかそんな作り物ではなく、実際に日本のマクロ経済学をつくった教員たちのナマの声を聴いてきた私としては、4象限法から「右シフト」というのがイメージしやすいです。

夏休み、大学図書館での勉強法

 夏休みの間、大学図書館を利用して勉強する人も多いでしょう。人生をかけた勉強期間なのでできるだけ効率的に行きたいものです。
 
①図書館では、最初に出入り口付近の場所で勉強しよう。
最初から、集中力を高めようと人が少ない場所で勉強しようとすると、結局、誰からも見られていないのでスマホをいじってオシマイです。
 1Fで他人からジロジロ見られる場所で、本を読んだり、計算問題を解いたり、自分も少し他人を見ながら、水合わせをしていきます。
 1Fの出入り口付近の机は比較的優秀な学生が集まる傾向にあり、そこの常連のメンバーになってください。
 カップルや友人で勉強する場合は机は離しましょう。

 

②水合わせが済んでいれば、じっくり本を読む場合は他の階に移動しても良いし、音楽を聴きながらでも大丈夫なくらい安定します。安定しなければ、また1Fの出入り口付近に戻ります。

 

③おにぎりを作っていきます。学食は週1くらい、外食やコンビニもすすめません。おにぎりの安定度もすごいです。おにぎりを作る習慣をつければ、就職活動で移動中でもおにぎりで体力維持できるはずです。
 カップルでおにぎりを担当し合うのも良いでしょう。

 

④図書館で寝いときには寝てください。好きな音楽を聞いても良いし、飲み物は好きなモノを飲んでください。休憩は普段行っていない図書館の階にいき、読んだことがなかった本に触れてみてください。

 

⑤効果がないと思ったら、勉強場所を切り替えましょう。
(2時間くらいで本を1冊読める場所を見つけることも重要で、電車の中とかトイレ、風呂など本を読む以外の身体が制限されるところが良いでしょう。)

 

⑥音楽を聴く場合、いろいろなものを聴くのではなく、ある程度、固定させて繰り返した方が良いと思います。どうせ、勉強中は脳は聴いていない。

台本のない講義

 私はもともと数学を指導していたので、経済学の問題も予習などはしないで、いきなり問題を解いてみて、悩んだり、間違えたり、戸惑ったりするナマの姿を学生に見せるようにしていました。一見おどおどしていて頼りないように思えますが、自然と優秀な学生しか集まってこなくなります。

 一方で、「俺は偉いんだぞ!」と威張り散らしている講師もいます。ある一定の人には人気があるでしょう。しかし、彼らのは話を聞いても5分後には全部忘れてしまうような内容だったりします。つまり、すでに解答が用意され、手垢が付いた台本を読んでいるだけなのかもしれません。

シナリオで起承転結するテレビを見てもほとんど記憶に何も残らないので、タヌキにばかされてしまった印象と同様です。


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 「経済学」を複数の校舎で同じ講義を行う場合、当然に1回目・1順目の講義は準備不足で言葉を選んでいるので上手いとは言えませんが、2順目、3順目と同じ講義を繰り返してくると、情報量も多くなり、ほとんど台本化してくるので、とても歯切れが良い素晴らしい講義になっていきます。

 例えば、同じ講義を高田馬場→水道橋→池袋→横浜の順にやっていくと、通学範囲なので後半の方がスムーズな講義展開をしているため、高田馬場よりも池袋と後ろに流れると思われがちですが、優秀な学生ほど1番最初の歯切れの悪い、準備不足の生々しい講義の高田馬場に集中するようになります。
 そこが最も記憶の残る講義をしているのです。

週刊住宅新聞社「らくらく経済学入門」シリーズ、その後

週刊住宅新聞社「らくらく経済学入門」シリーズが結構、プレミアがついて取引がされていることを確認。

 個人的に一番レアなのは、「らくらくミクロ経済学入門」改訂版7刷ではないでしょうか?この本は、問い合わせも多いのですが、新ジャケットになったもののあまり流通していないはずです。私もほしいくらいです。(しかも印税をもらっていない、、)
 また、ミクロに関してはジャケットが変更したものの、マクロのような改訂3版ではなく、そのまま改訂版です。旧ジャケットの方も安心してお使いください。また、新ジャケットが入手できなかった読者の皆様、本当に申し訳ありませんでした。

 10月には、「らくらく経済学入門」シリーズは復活しますのでお急ぎでない方はもう少々お待ちください。ごめんなさい。お詫びに何か企画します。

 洋泉社の「攻略!ミクロ」、「攻略!マクロ」は今のところ増刷の予定はありませんが、動画は継続してUPしていく予定です。
 新解法テクニックも紹介していきます。

 現在、かなり、4K動画製作の技術が向上しています。adobe premiereもマスターしました。次回シリーズにご期待ください。よろしくお願いします。


 経済学の動画は安いwebカメラで撮影しましたが(オーディオはかなりお金をかけた機材を使っていましたが、ビデオは。。)、
 現在のアメリカからの視聴者向けの動画は一眼レフで撮影し、標準でフルHDです。おおよそ製作工程はまとまりつつあります。今後の製作は日米同時型に移行していく予定です。ご期待ください。(一眼レフで高音質の機材の登場も待っています。)

 


TOKYO. | 新宿駅 | How early should we get N'EX platform?

夏休み中の大学図書館は勉強に最適だったが、、

 今の時期なら空いていて快適だと思ったら、大学図書館は大混雑で、まったく作業スペースが確保できず。調べてみると、8月第1週まで授業があって、しかも今時の学生は皆勤賞なので図書館も人でいっぱいになっていることに納得。

 基本的に、教育のシステムが大きく変わりつつあります。
TV世代だと一方的に情報を流す側と受け取る側に分けられ、情報が一方通行で流れていました。これが従来の教育でもあったはずです。
 しかし、ネット時代になると情報がほしい人はその情報があるところに複数アクセスし、選別し、自分のものにしなければなりません。
 この作業が非常に重要で、今の10代、20代の情報受容者がかなり本物を選び取る能力が備わっていると感じています。(広告力や誘導には簡単に乗らない。匿名掲示板やコメント欄で宣伝している商品は逆効果。SNSでの未承諾広告も無駄でしょう。情報発信者が情報弱者を対象としているのか?良質な情報を精査することが可能な人を対象としているのか?もわかります。)

 ようやく独り立ちしようとする学生にとって、やはり「学校」というコミュニティが創造力を抑制させている要因の1つであることは否めません。
 勉強の結果、いかに「学校」を離れ、独立した人材を形成させるのかが勝負どころですね。